Incubation Room 培養室のご案内

胚培養士とはどんな仕事?

胚培養士とはどのようなお仕事ですか?

胚培養士は採卵、採精後の卵子と精子を受精させ、最終的に移植するまでの間、胚(受精卵)をお預かりしてお世話をする卵と精子のスペシャリストです。
医師が診察から卵子の培養まですべてを行う施設もありますが、患者数が多くなってくるとそれも難しいため、現在の不妊治療施設では専門の胚培養士がいる場合がほとんどです。
顕微授精や卵の凍結・融解といった専門技術はもちろん、培養成績のさらなる向上のためデータを集計し考察することも培養士の大事な仕事です。
また国内だけでなく海外の学会にも積極的に参加し、最先端の知識を得るため日々努力をしています。

胚培養士という資格があるのですか?

胚培養士という国家資格はありません。ただし各学会の定める以下の認定資格があり、不妊治療施設で働いている胚培養士が条件を満たすと、試験を受けることが可能になります。

  • 日本卵子学会が認定する生殖補助医療胚培養士と生殖補助医療管理胚培養士
  • 日本臨床エンブリオロジスト学会が認定する臨床エンブリオロジスト
どのような人たちが胚培養士になっているのですか?

生物系、農学系の大学出身者、臨床検査技師の資格取得者が胚培養士として働くことが多いです。薬学部や看護学部の出身者が胚培養士になることもあります。

胚培養士に求められるものは、まず器用さ、注意力、集中力があげられます。
そして培養士の資質として何より重要なのは、常に卵のことを一番に考え、大切に扱う気持ちを持って仕事ができることだと私たちは考えております。

加藤レディスクリニックには何人の培養士が働いているのですか?

当院には約60名の培養士が在籍しており、うち1/3は勤続年数10年以上のベテランで、20代から50代以上までの幅広い年齢層で構成されています。
このうち顕微授精までの技術を習得しているスタッフは全体の2/3の約40名、PGT-Aの細胞生検(※検査は外注です)が可能なスタッフは10名以上おります。 数多くの症例に基づいた知識と経験を皆様にご提供できる体制を整えております。

すごくたくさんの培養士がいるのですね!

はい。人数が多いということは、以下のメリットがあります。

  1. 常に十分な人数が勤務しているので、培養士が高いレベルで集中力を保つことができる
  2. 日々必ず経験豊富なベテラン培養士がいるので、様々な症例に対して柔軟に対応できる。
  3. スタッフ同士で頻繁に相談し、臨機応変に個々の卵子のために最善な方法を考えることができる

また、新人培養士への教育にも多くの時間をかけることができます。
不妊治療においては、培養士の技術が施設全体の成績に大きく影響してきます。
そのため当院では、新人の培養士がすべての仕事を習得するまで3年以上の時間をかけて研修を行っております。培養室全体の技術力を常に高いレベルに保つために、決して妥協することはありません。